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放射線技師の仕事は責任が重い?14年働いた私の本音

働き方

はじめに

放射線技師を目指している学生さんや新人技師の方の中には、

「人の命に関わる仕事なんて自分に務まるのだろうか」

「責任が重すぎて後悔しないだろうか」

など不安に思う方もいると思います。

私自身は14年間放射線技師として働いてきましたが、確かに責任やプレッシャーを感じる場面はたくさんありました。

しかし結論から言うと、責任はありますが必要以上に恐れる必要はありません。

今回は実際に働いてきた経験から、放射線技師の責任について感じていることをお話しします。

結論:責任はあるが必要以上に恐れる必要はない

放射線技師は医療職である以上、責任のある仕事です。

ただし、最終的に診断を下すのは医師であり、治療方針を決める立場でもありません。

その意味では医療職の中では比較的責任は軽い方だと思います。

一方で、診断の材料となる画像を提供する立場である以上、検査そのものには強い責任感が必要です。

私自身も検査が失敗しないよう細心の注意を払っていますし、経験を積んだ今でも緊張する場面はたくさんあります。

放射線技師の責任とは何か

放射線技師は診断を行う職種ではありません。

しかし診断の材料となる画像を提供し、患者さんの安全を守る責任があります。

責任は大きく分けると

・安全管理に対する責任
・検査品質に対する責任
・チーム医療に対する責任

の3つだと私は考えています。

以下で具体的に見ていきます。

放射線技師が責任を感じる場面

私が放射線技師として働いてきた中で責任やプレッシャーを感じて緊張した場面をまとめます。

CT・MRIの造影検査

CT・MRIの造影検査では患者さんの安全と検査品質の両方を担う責任がある

造影検査は基本的に緊張します。

特にダイナミック検査は造影剤の注入レートも高いしタイミングも重要です。

皮下漏れや操作ミスでタイミングを逃すこともありえます。

やり直しができないわけではありませんが、もしそうなれば一度造影剤が入ってしまった場合は診断価値は落ちてしまいます。

また造影剤の使用には重篤な副作用が発生する可能性があります。

かなり稀ですが、私自身、死亡例を経験したことも…

副作用発生時の治療は医師や看護師が行いますが、技師は早期発見と迅速な連絡が重要です。

必要であれば院内緊急コールをためらわず要請する必要があります。

造影剤の使用は生命に関わる場面もあるため、経験を積んだとしてもやはりプレッシャーはありますね。

RI検査

RIではやり直しのきかない検査を成功させる責任がある

RI検査は普段は比較的落ち着いた業務が多いですが、実は緊張感の高い検査もあります。

特にシリンジ製剤を使用する検査です。

メーカーから届く一本限りの薬剤を使用するため、薬剤漏れや投与タイミングの失敗があると、その日の検査自体が成立しなくなることがあります。

一発勝負の場面ではかなり緊張します。

私も一度、肝アシアロ検査で薬剤投与後すぐに撮影ボタンを押さなければならないのに、

ベッドを下げるボタンを押してしまったことがあります…

先輩が即座に対応してくれたので事なきを得ましたが、危なかったです…笑

また最近は放射線技師が薬剤投与のためのルート確保をする事も増えてきているので、一層緊張感は増すでしょう。

MRI検査での金属チェック

MRIでは安全確認を徹底する責任がある

MRIは金属持ち込みによる重大事故のリスクがあります。

問診や確認を怠れば患者さんの生命に関わる事故につながる可能性もあります。

慣れていても確認作業を省略してはいけません。

私は一度、通常の車椅子のまま患者さんをMRI室に入室させたことがあります。

MRIの寝台に患者さんを寝かせ終わったあとに気づきましたが、幸い磁場に引き寄せられるような位置ではなかったため事故にはなりませんでした。

その後大急ぎで室外に移動させました…

アクティブシールドがなかったらと思うと…ゾッとします…

あれはヒヤッとしたなぁ…

救急撮影

救急撮影では、一回の検査で適切な画像を提供する責任がある

救急外来での胸部撮影や骨盤撮影はプレッシャーが大きいです。

救急車で運ばれた直後の撮影では、患者固定用のバックボード下にカセッテを二枚同時に入れて撮影していました。

撮り直しが難しい状況でありながら、ポジショニングもしづらいため緊張感があります。

外傷患者の撮影

外傷患者の撮影では、痛みに配慮し、適切な画像を撮影する責任がある

骨折や外傷患者の撮影では、ポジショニング次第で患者さんの痛みを強くしたり、状態を悪化させる可能性があります。

そのため状況に応じて撮影方法を変更したり、他職種へ応援を依頼する判断も必要になります。

マニュアル通りにいかないことも多く、経験が求められる場面です。

血管造影・透視検査

血管造影・透視検査では多職種連携と、医師の治療がスムーズに進むようサポートする責任がある

血管造影や透視検査では、医師が何を見たいのかを理解していないとスムーズな検査ができません。

フレーミング操作一つでも医師の意図とずれると検査効率が落ちます。

他職種も見ている中で検査が進むため、プレッシャーはけっこう大きいです。

そして透視検査って簡単そうに見えて軽視されがちですが、実際は知識や経験が必要な仕事だと思います。

確かに慣れてしまえば楽ではありますが…笑

当直勤務

当直勤務は安全管理・検査品質・他職種連携全てを一人で担保する責任がある

新人時代に最もプレッシャーを感じたのは当直でした。

夜間は院内で放射線検査の知識がある人間が自分しかいません。

この記事で挙げている緊張する場面の全てを、自分の力で切り抜ければならないんですよね…

何かトラブルが起きても助けてくれる同僚はいません。

また当直医から画像について意見を求められることもあります。

診断をする立場ではありませんが、命に関わる重大所見については知識として持っておく必要があります。

経験を積めばかなり慣れてはきますが、それでも一定の緊張感は無くならないですね。

患者さんから結果を聞かれた時

検査結果を安易に答えてはいけない責任がある

検査直後に患者さんから

「結果はどうでしたか?」

と聞かれることがあります。

しかし放射線技師は診断をする立場ではありません。

答えたくなる気持ちはよくわかりますが、安易な返答は禁物です。

もしかしたら家族は病状を知らせないでほしいかもしれないし、治療方針もどうするか我々にはわかりません。

そこまでの責任は技師には持てないのです。

そのため医師から説明があることを丁寧にお伝えする必要があります。

ここは意外とコミュニケーション能力が求められる場面かもしれませんね。

放射線技師のコミュニケーションについてはこちらの記事でまとめています。

絶対に防がなければならない重大ミス

誤投与や治療ミスが起きないよう注意を怠らない責任がある

どの検査にも共通して言えるのが患者間違いや左右間違いです。

患者確認を怠れば別の患者さんに本来なら必要のない薬剤を投与してしまう可能性があります。

左右確認を怠れば誤った部位の治療につながる可能性もあります。

こうしたミスは重大医療事故につながるため、最も注意しなければならない部分です。

急性期病院と慢性期病院で責任の種類は違う

どちらの病院でも責任はありますが、実際に両方を経験してみて、責任の種類が違うと感じています。

急性期病院の場合

急性期病院では検査件数が多く、救急対応や当直もあります。

そのため検査そのものに対するプレッシャーが大きいです。

一方で放射線科医がいることも多く、所見について意見を求められる機会は比較的少ない印象です。

急性期病院では検査を成功させ、診断価値の高い画像を提供する責任があります。

慢性期病院の場合

逆に慢性期病院では医師との距離が近く、画像について意見を求められる機会が増えました。

最終判断はもちろん医師なのは変わりませんが、技師の意見がかなり重く受け止められているように感じられます。

そのため安易な返答はできませんし、日頃から勉強しておく必要があります。

検査自体は難しいものはほぼありませんが、検査所見について答えられる準備はしておく必要があります。

急性期病院と慢性期病院の違いについてはこちらの記事でもまとめています。

まとめ

放射線技師は責任のある仕事です。

しかし診断や治療を決定する立場ではなく、医療職の中では比較的責任は軽い方ではあると思います。

一方で画像検査の質や安全管理については強い責任感が必要です。

新人時代は不安もあると思いますが、経験を積めば必ずある程度は慣れていきます。

必要以上に恐れず、一つ一つの検査を丁寧に行うことが大切だと私は考えています。