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放射線技師はスイッチマンなのか考えてみた

日常・コラム

はじめに

放射線技師という職業のイメージについて

  • ボタンを押すだけ
  • スイッチマン
  • 機械任せ

と言われることがあります。

放射線技師として14年働いてきた私ですが、この意見については半分正解で半分間違いだと思っています。

今回は「放射線技師はスイッチマンなのか」について私なりの考えを書いてみます。

結論:スイッチを押す仕事なのは事実

まず最初に言っておくと、放射線技師はスイッチを押す仕事です。

レントゲンもCTもMRIも、最終的にはボタンを押します。

そういう意味では確かに「スイッチマン」です。

「スイッチマン」の意味

しかし巷で言われている「スイッチマン」は、「思考停止でスイッチだけ押している」という意味合いが強い気がします。

「楽な仕事」と揶揄するための言葉として使われているように感じます。

正直、中身を理解せずスイッチを押している技師もいる

ただ正直な話、

機械の原理や画像の意味を深く理解しないまま働いている技師もいることにはいます。

まさにスイッチマンですね。

ルーチン検査だけであれば、

  • 決められた手順
  • 決められた条件

で撮影してしまえば、それなりの画像は取得できます。

そのため知識が少なくても仕事が成立してしまう場面は少なからず存在するのは事実です。

しかし本当に差が出るのはイレギュラーな場面

問題はここです。

医療現場は毎回同じ条件ではありません。

例えば、

・息止めができない患者さん
・痛みで動いてしまう患者さん
・認知症で指示が入らない患者さん
・細い血管を描出したい検査
・心電同期が必要な検査

など。

こういうイレギュラーな場面ではただいつも通りスイッチを押すだけでは検査は失敗します。

つまり思考停止スイッチマンでは適切な設定ができない場面があるのです。

良い画像は知識と経験から生まれる

こういう時に必要になるのが、

・解剖学
・疾患の知識
・装置の知識
・撮影技術

です。

例えばMRIなら、

「なぜこのアーチファクトが出ているのか、修正のためにどのパラメータを再設定すればよいか」

を理解していなければ対処できません。

CTでも、

「どのタイミング、どのくらいの造影剤注入量と注入レートで撮影すれば見たい血管が描出できるか」

を理解していなければ良い検査にはなりません。

ボタンを押すこと自体は誰でもできます。

しかし、どんな設定で押すか、なぜその設定なのかを理解しているかどうかで結果は大きく変わります。

つまりスイッチを押すまでの過程がとても大事になってきます。

外から見ると違いがわからない

残念なのは、知識のない技師も、知識のある技師も、外から見ると同じように見えることです。

どちらも最終的にはスイッチを押していることに変わりないからです。

そこだけ見ると違いはないんですよね。

しかし頭の中では全く違うことを考えています。

知識のある技師ほど、

・この症例ならどうするか
・この患者ならどうするか
・この画像で本当に良いのか

を考えながら検査しています。

決して思考停止はしていません。

私の結論

放射線技師は確かにスイッチを押す仕事です。

そして中には、ただスイッチを押しているだけの思考停止スイッチマン技師もいると思います。

しかしそれが放射線技師の全てではありません。

技師の大半は、

「検査目的を理解し、疾患・機器・撮影技術の知識を活用し最適な条件に設定したうえでスイッチを押している」

と私は考えています。

知識や経験がなくてもスイッチは押せるし、検査が成立することはあります。

ですがイレギュラーな状況に対応し、診断価値の高い画像を提供するためには、やはり専門知識が必要です。

外から見ると同じスイッチマンでも、中身は大きく違う。

14年働いた今の私の結論はそこですね。