放射線技師になってからも勉強は必要
結論から言うと、放射線技師は仕事をしてからも勉強をする必要があります。
ただ毎日何時間もする必要はなくて、必要な時に必要な分だけすれば全然問題ないです。
今回は私の実体験も交えながら、放射線技師の勉強について解説していきます。
放射線技師が勉強しなければならないパターン
就職後に仕事を覚える
よく言われることですが、放射線技師の国家試験合格はゴールではなく始まりです。
つまり勉強も国家試験合格と同時に終わるわけではなく続きますが、試験勉強とはまた違った勉強となるでしょう。
就職すると当然ですが仕事を覚えなければなりません。
一般撮影、CT、MRI、血管造影、核医学、放射線治療などなど…
先を見ると途方もなく感じてしまいますが、まずは当直でやっていけるように一般撮影やCTから覚え始めることが多いかと思います。
毎日新しいことを吸収していかなければならないので大変ですが、一度覚えてしまえばルーチンワークも多いので最初が頑張りどきです。
ここでは自分で新しいことを勉強すると言うよりも、先輩に教わったことをメモに取って復習し、身につけていくことが大事です。
医療機器の進化
仕事を一通り覚えたからと言って終わりではありません。
医療の技術は日進月歩であり、医療機器も進化し続けています。
医療機器が新しくなればそれに伴って検査内容も同時に進化していきます。
医療機器のスペックを最大限引き出して良い検査を提供するには、自分で新しい技術を学ぶ必要があります。
ここでの勉強は自分で情報を集めて新しい技術を理解し、実際の臨床に応用させていくものとなります。
プレッシャーもありますが、勉強したことを実際の臨床で活かすことができるので楽しい勉強になると思います。
私もCTの更新に関わった経験がありますが、最新スペックのCTの勉強はワクワクして楽しいものでした。
ちなみに医療機器についてはメーカーの説明会などはありますが、基本は誰も教えてくれません。
自分で能動的に動いて勉強会へ行ったり、書籍や文献で情報を入手する必要があります。
勤務中に遭遇するわからないこと
実際に働いてみると、わからないことってたくさん出てくると思います。
例えばオーダーに書かれた解剖用語だったり、聞いたことのない疾患名だったり、機器のパラメータだったり。
わからないままでは良い検査ができないので、当然調べます。
これも勉強の一つです。
そして医療は奥が深いので、何年技師を続けていてもわからないことは尽きません。
そういう意味では勉強は一生続くことになりますね。
未経験の機器を扱う
総合病院なら元々多くの装置が揃っていますが、小規模病院などは今までになかった新しい機器を導入する機会もあるでしょう。
また転職した先に今まで扱ってこなかったモダリティがあることもあります。
そんなときもその装置の原理や特性、検査法などを勉強する必要があります。
メーカーが変わる
機器更新時にメーカーが変わってしまうことがあります。
例えば同じCTだけどGE→Canonみたいなことです。価格競争などでけっこう起きえます。
同じモダリティですがメーカーが変わると用語が変わったり、微妙に原理が違ったりするため再度勉強が必要になります。
知識0からのスタートではないですが、慣れるまでけっこう大変です。
感覚としては自家用車を普段乗っている人が、たまにレンタカーに乗るとちょっと操作法が違って戸惑うみたいな感じですね笑
学生時代とは違った勉強になる

試験勉強のように毎日何時間も勉強するわけではない
放射線技師には勉強が必要ですが、勉強の内容は学生時代とは変わってきます。
学生時代は「試験で合格点を取ること」を目的として勉強していたように思います(私が不真面目だっただけかもですが…)。
そのため何かを丸暗記するような勉強となってしまっていました…
しかし実際に現場で働いてみて思うのは、知識を丸暗記することは少なく、それよりも理解を深める勉強が必要とされることです。
そのため机に向かって毎日何時間も勉強するということはほぼ無く、理解さえできれば数分で終わってしまうことが多いです。
ただし例外的に認定技師取得などで勉強するときは、学生時代のような勉強が必要になることがあります。
現場で経験しながら学ぶことも多い
机に向かうだけが勉強ではありません。
現場での経験でも多くを学びます。
「あ。先輩こうやってるのか、確かに良いやり方だ…」
「本で読んだときはいまいちピンと来なかったけど、実際の画像ではこんな感じで描出されるのか…なるほど。」
みたいなことがたくさんあります。
座学も大事ですが、現場で得るものが一番大きく、実践的です。
また車の例になりますが、教習所内で運転するのと実際の路上で運転するのとでは全く違いますよね。誰も制限速度で走ってないじゃん!サンキューハザードってのがあるのか!みたいな。その感覚に近いです笑
私の勉強経験談
急性期病院時代
当時はまだ技師歴が浅く経験も乏しかったため、帰宅後にその日にわからなかったこと(主に疾患)を勉強してノートにまとめていました(我ながら真面目だ…)。
またMRIの原理について学ぼうと本を買って熟読していた時期もあります。
MRIの勉強は先輩とも一緒にやっていて、わからなかったところをお互い教え合ったりして楽しい時間でした。
また前述したCTの機器更新時には、勉強会にもいろいろと足を運んですでに導入している他の病院の技師さんとも交流しながら立ち上げ業務に励んでいました。
私の技師人生で一番仕事に情熱を燃やして充実していた時期ですね。
現在の慢性期病院
転職してはじめてエコー検査をすることになりました。
しかもエコーを主として担当していた方の後釜として私が採用されたので、エコーはほぼ独学…。
教科書を毎日読んだり、実際に検査したりしながら少しずつ体得していきました…
しかし最初の頃はけっこうなプレッシャーでしたね。
「総胆管…どれだ…わからん…誰か助けて。」
みたいに大変でしたが、約1年経験した今では少し楽しみながら検査できるまでに成長できました。
現在はほぼ問題なく検査できるようになったので検査前日に少し知識を復習するくらいですね。
趣味の勉強のほうがしているかも
正直仕事の勉強より趣味で勉強している時間のほうが長いかもしれません。
今までに簿記検定や電気工事士などを取得しています。
プライベート充実派のため趣味の勉強のほうが精を出していますが、それでも放射線技師として今も仕事を続けられています。
技師になったら勉強ばっかりで遊ぶ暇がないということは決してありませんのでご安心を。
勉強が苦手でも放射線技師になれる?
勉強が苦手でも放射線技師になれるかどうかは、けっこう耳にする質問な気がします。
養成校への入学で差はある
国立大学の養成コースへ進みたい場合は平均以上の学力は必要です。
ですが専門学校であれば大学よりは入りやすいので、そこまで高い学力は必要ないと思います。
養成校の入学時は勉強が得意な方が有利ですが、どちらにせよ放射線技師になるためには国家試験を受けなければなりません。
ですが特別難しい試験なわけではないので、勉強に苦手意識がある方は早めに受験勉強をはじめてコツコツ継続すれば合格できる難易度ではないかと思います。
私は国立大出身ですが、頭は良いのに勉強しない同期がいて国家試験に落ちていました…笑
頭がよいかどうかより、コツコツ継続できるかが大事になってきます。
就職後はなんとかなる
就職後についてですが、今まで書いてきたように机にかじりつくような勉強はあまり必要ありません。
しかも働いてからの勉強って面白いです。
必要に迫られて勉強してその成果が翌日すぐ出たりするんですよね。
なので学生時代は勉強=辛いになりがちですが、働いてからは勉強=楽しいに変わると思います。
働き方によって必要な勉強量も変わる
働く職場環境によって必要な勉強量は大きく変わります。
急性期病院のようなモダリティもたくさんあって検査も多い病院は当然勉強量も多くなります。
対して慢性期病院では業務が少ないため、それに比例して勉強量も比較的少なくなるでしょう。
しかし私のように転職してはじめて扱うモダリティに直面することもあるのでそこは注意が必要です。
放射線技師は「一生勉強」だけど、辛くはない
医療は奥が深いので放射線技師になっても勉強は一生続きます。
ですが勉強することでうまくいかなかった検査を成功させたり、より診断しやすい画像が撮れたり、手応えが大きいですし結果も早く出ます。
また学生の時のような長時間机に向かい続けて暗記するような勉強というより、空き時間に少し調べたり理解できるまで思考するような勉強に変わります。
そして学生の頃の勉強ってなんでこんなことするんだろう?みたいなことも多く、勉強ってつまらないとなりがちでしたよね。
対して働き始めてからする勉強は、自分の能力だったり視野を広げることに直結するので楽しく感じることが多いはずです。
ルーチンだと思っていた業務も勉強することで「もっとこうした方がいいんじゃないか?」みたいな新たな気づきが起きることだってあります。
むしろ勉強せずよくわからないまま仕事をしてもつまらないだけなんですよね。
そう考えれば「一生勉強」も辛くないんじゃないかと私は捉えています。
